2023年5月22日、福島県郡山市東部にて、サビイロクワカミキリの被害調査を行いました。
現地の画像を取り入れながら、被害状況と対処内容、今後の予定などをご紹介していきます。
現地の被害状況
まずは今回の現場状況を整理していきます。
- 対象木状況:立木1本
- 樹種:イヌエンジュ
- 確認痕跡:脱出孔70箇所以上、フラス5箇所以上
- 被害度:大規模
聞き取り情報によると、被害は2年程度前から確認しており、年々脱出孔が増加しているとのことです。サビイロクワカミキリの侵入が相次ぎ、今年2023年は芽吹きがかなり遅かったと不安の声がありました。
画像による被害状況の確認
まずは被害木全体を見ていきます。5月に入り葉は開いてきていますが、やや枯れ枝が目立つ印象です。
葉のボリュームも少なく、明らかにサビイロクワカミキリの侵入が影響していることがわかります。
次に幹を見てみると、成虫の脱出孔が数多く見られました。去年や一昨年に脱出したとみられる古いものも見受けられ、毎年継続して被害にあっていることがうかがえます。
脱出孔の大きさは概ね1㎝~1.5㎝です。きれいな円形の穴が開いており、幹の奥深くまで続いている印象があるかと思います。
実際サビイロクワカミキリの幼虫は幹の中心部(心材)をかじることが多く、脱出孔も深いのが事実です。今回の被害木は直径が大きいので、より顕著にみられるかもしれません。
今後の対応
今回の被害木は1本のみだったものの、樹木そのものは大きく、なによりも脱出孔の多さが目立ちました。所有者によると床柱用に植えていたとのことですが、材としての使用は難しいでしょう。
見つかった脱出孔だけでも70以上だったので、推定では100個体以上は脱出したと考えられます。これほどの個体が侵入してしまうと、心材は食い荒らされ、いつ倒木してもおかしくない状況です。
したがって対処としては伐倒・焼却の流れを想定しています。ただし幹はかなり太く樹高も高いため、処分費用が高額になると予想していた方がいいでしょう。
対処が難しい状況ですが、費用面がクリアでき次第早急に手を入れていきます。
『外来カミキリバスターズ』は今後も被害地の対応や認知活動を進めてまいります。外来カミキリの被害を確認された方は、ぜひ当団体までご連絡ください。